中学生から高校生にかけて、X JAPANやhideが好きだった。その頃、叔父と酒を飲みながら「X(JAPAN)はずっと聴き続けると思う。」と言ったら、「そんなことはないんじゃないの。時期によって聴くものは変わると思う。」という返しを受け、ムキになってやり取りをした、なんてことがあったが、大学に入ってしばらくするうち、hideは聴くことはあってもX JAPANについてはあっさり聴かなくなってしまい、そのときのやり取りを思い返して苦笑したことがある。
ある時期は椎名林檎やSUPERCARなどの日本の若手のロック音楽を聴いていて、ある時期は70年代頃のプログレや前衛ロックを聴いていた。イギリスや、ドイツ。常に、ロックとは何ぞや、なんてことを考えていて、「頭」で聴いていた節もあるけれど、基本的にはロック音楽が好きだということなのだと思う。好き、という言葉が適切かどうかはよくわからないのだけど、ほかに妥当な言葉が見つからないので、こう書く。暇を見つけてはレコード店に通っていた。
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最近は何もすることがなくて困っている。連休も、どこに行こうという当てもない。友人と会う約束はしたのだけど、せっかくだからどこかに旅行に、という気持ちにもならない。ただこれは世間の自粛ムードとは全然関係なくて、単に無気力ということで、以前からその気はあったが結婚して30代になってますます拍車がかかってしまった。やる気がない。自分のことをこう評したのは友人Sだ。的確です。
それで、音楽を聴いているのかというと、それも少し停滞気味なのである。家では殆ど何も聴かなくて、通勤の電車の中でiPodで聴くくらい。それも新しいCDを買うことが少なくなってしまったので、持っているものを反復して聴いている。吉井和哉とか、曽我部恵一とか、90年代、まさしく自分が中高生の頃に活躍していた人たちの、いまの音楽を聴いているのだ。もう、30代で、新しい音楽を開拓するというよりは保守路線に傾いてしまうのかな、なんて思うと哀しくなる。が、無理をして出会いを求めるというのも疲れるので、しない。
そういう流れの中でいま、どうなったのかというと、笑ってしまうがX JAPANをたまに聴く様になってしまったのだ。これには少し自分でも意外なことで、大学の頃は彼らのことを、少し馬鹿にするというか、過去のこととしていたのだけど、いま聴いてみると、分析的に聴くことが出来て、少し面白いのだ。メロディラインとか、アレンジとか、アルバムとしてのバランスとか、当時の自分がどういう風に熱中していたかとか、ヒットした曲としなかった曲の対比とか、いろいろ考えながら聴いてみると興味深く聴ける。
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世間の方々のことを思うと、すごいなとも思うし、自分が情けなくなることもある。よく、そこまで活発になれるものだな、よくやるなあ、と。自分は自分でいろいろウジウジと考えたりはするものの、面倒だ、という思いから、何もしない。
まあ、人には人それぞれのマイウェイというものがあるのだ。やる気がない人にはやる気がない人なりのやり方ってものがあるのだ。無理はしない。無理は強要しないでほしい。そう思う休日の午後。
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